トラネキサム酸を導入するならエレクトロポレーション

近年、高い注目を集めているエレクトロポレーションは、美容面で有効なさまざまな成分を肌の深層部分に届けることができる技術です。

分子が大きいものや、イオン化できないものも浸透させることができるため、イオン導入や超音波と差別化を図ることもできます。

分子の大きい成分というと、例えばコラーゲンやヒアルロン酸、イオン化できない成分では、アスコルビン酸グルコシドやパルミチン酸アスコルビルなどのビタミンC誘導体があります。

そのような成分も浸透させることができるエレクトロポレーションを、エステティックサロンで導入しようかお悩みの経営者の方もたくさんいらっしゃることと思います。

そこで今回は、数ある美容成分の中から「トラネキサム酸」に焦点を当て、エレクトロポレーションとあわせてご紹介していきたいと思います。

ぜひ、エレクトロポレーションの導入の参考にしてみてください

トラネキサム酸とは

トラネキサム酸は、人工的に生成されたアミノ酸で、止血剤・抗炎症剤として医療分野で使われている成分ですが、イオン導入やエレクトロポレーションといった導入美容でもよく使われる成分でもあります。

そこで、トラネキサム酸の成分や美容効果について詳しくご紹介していきます。

トラネキサム酸の成分

トラネキサム酸は、必須アミノ酸リシンを元に人工合成されたアミノ酸の一種です。

血液を溶かし、炎症を引き起こす生体内の酵素「プラスミン」を抑制する「抗プラスミン作用」を持っていて、止血剤や抗炎症剤として古くから使われています

副作用も少なく、口内炎の薬や湿疹薬、歯磨き粉など市販の医薬品や医薬部外品にも使われている安全性の高い成分です。

トラネキサム酸の作用

トラネキサム酸が持つ抗プラスミン作用により、止血効果が期待できます。

また、湿疹、じん麻疹、咽頭炎、口内炎など体のあらゆる部分の炎症を抑える作用があり、医療の現場で幅広く使われています。

そのほか、シミの元となるメラニンを生成する細胞メラノサイトの活性化を抑制する作用があります。

トラネキサム酸の美容効果

美容面におけるトラネキサム酸は、メラニンの生成の抑制や、炎症を落ち着かせることが期待できます。

メラニンの生成を抑制するということは、シミやそばかすを改善したり予防したりということにつながります。

メラニン色素は紫外線などが原因で増えてしまいますが、トラネキサム酸はメラニン色素を生成するときに働くプロスタグランジンという物質を抑制するという仕組みです。

また、炎症を落ち着かせることで、気になるニキビや、ニキビ跡の改善ということも。

トラネキサム酸が、肌を炎症させたり色素沈着させてしまったりするプラスミンという物質の働きを抑えることで、ニキビ跡ができるのを防ぐことができます。

このように、トラネキサム酸は美容面でも優れているアミノ酸です。

トラネキサム酸とビタミンCの相乗効果

トラネキサム酸と同様にシミや色素沈着・くすみの改善に効果があるといわれているのがビタミンCです。

トラネキサム酸がプラスミンの働きを抑制して、シミが過剰にできることを防ぐのに対し、ビタミンCは、シミの元となるメラニン色素の生成を抑えるだけでなく、酸化して黒くなってしまったメラニン色素を元に戻す効果が期待できます。

トラネキサム酸と一緒に使うことで、さらなる美肌効果や美白効果が期待できます。

トラネキサム酸の主な導入方法

トラネキサム酸を効果的に使うには、どのような方法があるのでしょうか。

今回は、外用剤としてのトラネキサム酸の導入方法について調べてみました。

美容液の塗布

トラネキサム酸を配合した美容液をコットンや手を使って塗布する方法です。

自宅で毎日好きな時間にスキンケアができる気軽さがメリットですが、塗布するだけでは、トラネキサム酸がなかなかお肌の奥まで浸透しないというデメリットがあります。

イオン導入

イオン導入は、導入美容法の1つで、微弱な電流を肌に流して肌バリアを一時的に弱め、イオン化したトラネキサム酸を肌の深層部まで浸透させます

その浸透率は塗布した場合の50倍ともいわれていて、短時間で効率的にトラネキサム酸を導入することができます。

施術中の傷みも殆どありませんが、イオン化の際に肌のph値が変わるので、人によっては肌がピリピリしたり赤くなったりといった副作用が出ることもあるようです。

超音波導入

超音波導入は、超音波により1秒間に100万回以上といわれる微細な振動を肌に与えることで皮膚の中に空洞を作り、トラネキサム酸を角質の奥深くまで浸透させる方法です。

こちらも短時間で肌の深部までトラネキサム酸を浸透させることができますが、皮膚にどうしても刺激を与えてしまうので、肌が弱い人や荒れている人は、イオン導入と同様に肌トラブルを起こすことがあります

エレクトロポレーション

 エレクトロポレーションとは、電気パルスを使い細胞と細胞の間に小さな孔を開けて、有効成分を肌の深層部まで届ける導入美容法です。

イオン導入や超音波導入と比べられることが多い導入方法ですが、エレクトロポレーションは、導入できる有効成分の幅が広くイオン導入の約20倍ともいわれる高い浸透率を持つのが特徴です。

また、エレクトロポレーションは、美容成分を導入する際に針を使用しないため「ノーニードルメソセラピー」とも呼ばれており、針を使用しないという面でお客様の安心感にもつながるのではないでしょうか。

肌への刺激が少ないので、施術中の傷みや副作用も殆どないというメリットもあります。浸透率などを考えると、エレクトロポレーションを使ってトラネキサム酸を導入した方が、効率もいいといえるでしょう。