歯科衛生士の開業でできること!お口の専門家によるデンタルエステ

治療の時代から予防の時代へと大きく変わってきた歯科医療。

歯科衛生士の業務も治療の補助だけでなく、保健指導や歯科予防処置など役割が大きくなってきています

予防歯科先進国といわれるアメリカやスウェーデンなどでは、独立開業し歯科予防処置のプロとして活躍する歯科衛生士も少なくありません。

日本でも今後、歯科衛生士による医院やサロンの開業が増えると予想されます。

そこで今回は、歯科衛生士の開業でできること歯科衛生士が開業をする際に必要なことをまとめてみました。

開業を考える歯科衛生士が増えている

歯科に対するニーズが治療から予防に変化するにつれ、歯科医師に代わって保健指導や歯科予防処置を行える歯科衛生士の需要が高まりつつあります

歯科先進国といわれるアメリカやスウェーデンでは、歯科衛生士は社会的地位も高く、高収入な職業で男性の就業率も高いのですが、日本における歯科衛生士の平均年収は400万円程度

女性の割合が圧倒的に多く、男性の歯科衛生士は全体の0.06%ほどしかいないといわれています。

また、歯科衛生士の平均年齢は、31.2歳勤続年数は5年程度であり、結婚や出産などのライフイベントによる離職が多いことがうかがえます。

歯科衛生士を取り巻く環境や予防歯科のニーズの高まりにより、歯科衛生士の新しい働き方として、デンタルエステサロンを開業したいと考える歯科衛生士も増えているのではないでしょうか。

歯科衛生士の開業でできること

歯科衛生士の仕事は、主に歯科診療補助歯科保健指導歯科予防処置の3つです。

しかしながら、歯科衛生士の業務は、法律により『歯科医師の指示がなければ、診療機械の操作や医薬品の授与などを行ってはいけない』 と定められているため、開業の際は、歯科医師を雇うかどうかで提供できるサービスが変わってきます

口周りのケアを主力とするデンタルエステサロン

歯科衛生士は、口周りの健康のスペシャリスト

その特性を活かして、口周りのケアに特化したフェイシャルエステの提供はいかがでしょうか。

口元は、顔のなかでも特に年齢が出やすい箇所。マッサージやマシンエステで、口元のたるみやしわを改善したり、口角を上げるエクササイズの指導などを行ったりすれば、口元の健康や審美性を高めるお手伝いができます。

フェイシャルエステに関しては、資格は特に必要ありませんが、施術用マシンの導入費用手技の習得のための時間などが必要になります。

虫歯予防に特化した歯磨き指導サロン

歯科衛生士としての資格や経験を活かせるのが、虫歯や歯周病の予防のための歯磨き指導

歯科に行くのが怖いという方でもサロンなら気軽に来店してもらえるというメリットがあります。

サロンでは、歯ブラシやフロスを使って歯磨きの指導を行い、セルフケアの意識を高めてもらうことができます。

しかしながら、歯科衛生士のみでの歯磨き指導サロンでは、歯石等の除去、フッ素等薬物の塗布といった処置ができないのがデメリットともいえます。

 歯科医師を雇ってのデンタルエステサロン

歯科医師を雇ってデンタルエステサロンを開業すれば、歯磨きの指導だけでなく、歯石除去やホワイトニングなど広い範囲のデンタルエステを提供できます

歯科衛生士がオーナーとなることで、歯科医師と対等な立場で働くことができ、お互いの強みを活かしたオリジナリティのあるサロンを作って行くことができるでしょう。

しかしながら、大手歯科医院などに勤務する勤務医の年収は450万~700万程度といわれており、雇用のための費用が掛かることや歯石除去やホワイトニングなどを行うための設備を揃えなければならないのがデメリットです。

歯科衛生士がデンタルエステサロン開業するのに必要なこと

歯科衛生士がデンタルエステサロンを開業するためには、歯科衛生士の資格のほかにも開業資金運営資金が必要になります。

ここからは、開業に必要な資格や費用をご紹介します。

歯科衛生士のデンタルエステサロン開業に必要な資格

デンタルエステサロンの開業には、歯科衛生士以外に特に資格は必要ありません

しかし、歯磨き指導のほかにフェイシャルエステを提供するなら、専門学校や通信講座などを活用して、エステの知識や手技を覚えるといいでしょう

また、ほかのデンタルエステサロンとの差別化のために、エステに関する民間資格やセラピストの資格などを取得しておくのもおすすめです。

歯科衛生士のデンタルエステサロン開業に必要な費用

デンタルエステサロンに関わらず、お店を新規開業するには、物件取得費用施術用の機器や備品広告費といった開業資金が必要です。

自宅サロンか貸店舗かでも変わってきますが、立ち上げには20万~100万円程度の自己資金を用意するのがいいでしょう。

自己資金が不足した場合でも、日本政策金融公庫の融資制度などが活用できます。

歯科衛生士のデンタルエステサロン運営に必要な費用

無事にサロンを開業した後も、日々サロンを営業するための運営費が掛かります。

賃貸料、光熱費、人件費、広告費など毎月どれくらいの費用が掛かるかを計算して、半年分ほどを用意しておきましょう。

歯科衛生士のデンタルエステサロン開業によるやりがい

デンタルエステサロンを開業することで、歯のプロフェッショナルとして、地域住民のお口の健康を守ることができます

フェイシャルエステや歯磨き指導など、顧客ひとりひとりのニーズに合わせたサービスを提供できるので、従業員として歯科医院に勤務していた時よりも幅広い分野で活躍できます。

また、歯科医師の指示や指導のもとで業務を行う歯科医院での勤務とは違い、自らサロンを運営することで、経営者としての責任感や達成感を得ることができます

歯科衛生士のデンタルエステサロン開業による苦労

サロンの運営には、適正な価格を設定し利益の追求をしなければなりません。

また、歯科医院やデンタルエステの開業が増え、飽和状態ともいわれる歯科業界で、ライバルとなる歯科医院やデンタルエステサロン、エステサロンとの差別化を図る必要があります。

常に質の高いサービスを提供し、新しい価値を生み出していかなければならないという点で苦労を感じることがあるかもしれません。