マサバ受精卵の
研究から分かる
温藻RG92の効果検証

私たちは、温泉由来の
「温藻RG92」が、
魚類の初期発生にどのような
影響を与えるかを検証するため、
マサバの受精卵を用いた試験を実施しました。

マサバ受精卵による
生理活性の検証

SARABiO温泉微生物研究所
2024年5 月14日~2024年6月2日

関サバ親魚入荷

成熟誘起ホルモン投与

卵子採取

精子採取

卵子と精子混合

RGを海水へ投与

RG海水で受精促進

受精卵を水槽へ

細胞分裂の過程

受精後5時間

卵割期:後期桑実胚

25時間

胚体期:体節・眼胞の出現

35時間

胚体期:レンズ形成

42時間

胚体期:色素胞の出現、尾部の伸長

ふ化直後

仔魚期:油球の消失

ふ化後2日齢

仔魚期:卵黄吸収・開口

ふ化試験結果

ふ化仔魚数の比較

細胞分裂とは何か?

すべての生命は、たった1つの細胞から始まります。
受精卵が分裂を繰り返し、
やがて個体へと成長していくこのプロセスは、
「細胞分裂」と呼ばれます。

細胞分裂は、
DNAの複製、細胞質の分配、細胞膜の形成
といったステップを経て進行します。

この過程は、外部環境や栄養状態、
そして細胞内の活性酸素(ROS)や
炎症性サイトカイン(例:TNF-α)の影響を
強く受けることが知られています。

細胞分裂を
支える条件とは?

近年の研究では、以下のような要因が
細胞分裂の円滑な進行に寄与することがわかっています。

  • 抗酸化作用:ROSの蓄積を抑えることで、DNA損傷を防ぐ
  • 抗炎症作用:TNF-αなどの炎症性因子の過剰な活性を抑制
  • ミトコンドリア機能の維持:エネルギー供給の安定化
  • 細胞膜の安定化:カルシウムイオンの流入制御など

RG92の可能性

本試験の結果から、
RG92はマサバ受精卵の健全な発生と
孵化率の向上に寄与する可能性を示唆しました。
これは、RG92が持つとされる
抗酸化・抗炎症作用が、
細胞分裂や初期発生の環境を整えることに
関係していると考えています。

今後も、
RG92の生理活性に関する研究を進め、
水産養殖や繁殖技術への
応用を目指してまいります。