鶏の飼料で暑熱ストレス対策!夏の食欲低下・産卵率低下を防ぐポイントとは

「対策はしている。でも、夏になるとやっぱり餌を食べない」
「高温期の産卵率低下が年々深刻化している」

飼養環境や飼料設計に注意していても、暑熱ストレスによるパフォーマンス低下を完全に防ぐのは簡単ではありません。
現場では、電解質強化やビタミンC添加などの対策が常識化していますが、それでも効果が不安定なケースが増えています。

さらに先日、群馬県では国内最高気温41.8℃を記録するなど、暑熱環境は年々厳しさを増しており、従来の対策だけでは通用しなくなっているのが現状です。

今回の記事では、「すでに暑熱対策はやっている」現場向けに、今見直したい飼料の“質と構成”について解説したいと思います。
また、単なる栄養補給ではない「効かせる飼料」への視点転換や、暑熱時でも安定を保った実例も紹介します。

鶏の暑熱ストレス対策、なぜ効果が出ない?現場で見落としがちな飼料の弱点

飼料中のナトリウムやカリウムの調整、抗酸化成分の添加、消化性の高い原料の選定など、暑熱期における飼料対策は広く実践されています。
それでも生産成績が思うように伸びない理由は、「量を与える」ことと「体が使える」ことの間にギャップがあるためだと私たちは考えています。

たとえば、以下のような現象に心当たりはないでしょうか?

  • 摂餌量は確保できているのに、産卵率が落ちてしまう
  • 栄養設計は適正でも、夏に限って肝機能や腸の調子が乱れる
  • 電解質調整済なのに、動きが鈍く、活力に欠ける

こうした現象は、飼料中の栄養素が消化・吸収・活用される過程のどこかにボトルネックがあることを示唆しています。

鶏の暑熱ストレス対策に効く飼料設計:吸収性・消化性の改善ポイント

① 消化性の再点検

  • 粗繊維量の過剰:夏場は腸の動きが鈍くなるため、繊維が多すぎると逆に摂餌量を下げる要因になります。
  • 油脂源の選定:酸化した油脂は肝臓に負担をかけ、代謝力を落とす原因に。
  • たんぱく源の見直し:魚粉や動物性原料の比率が高すぎると、消化過程で代謝熱が増しストレス増加に。

② 腸内環境の再調整

夏場は腸のバリア機能が落ち、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏)のような慢性的炎症状態が起きやすくなります。
その結果、免疫負担や栄養吸収率の低下、産卵機能の不安定化などの問題が派生します。

以下の対策が有効とされています。

  • ビタミンA・グルタミン強化 → 腸粘膜の修復・再生を促進
  • プロバイオティクス添加 → 善玉菌の定着によるpH・免疫安定化
  • ミネラルバランス調整(Ca:P:Mg)→ 腸内pHや酵素活性の最適化

「栄養を入れる」よりも、「入れたものを無駄なく使わせる設計」が夏場は重要になります。

暑熱ストレス下でも飼料効率を高めるには?吸収力を支える新しい素材活用

「飼料の質 × 鶏の吸収力」の掛け算がカギ

現場では「飼料内容には自信があるのに、どうしても夏だけ成績が振るわない」という声が少なくありません。
この場合、鶏の側の栄養を受け取る器官や細胞機能が十分に働いていない可能性があります。

特に夏場は……

  • 酸化ストレスによる細胞膜損傷
  • 肝臓や腸管での解毒処理の負担増
  • 炎症性サイトカインの上昇による栄養利用効率の低下

といった生理的変化が起き、見た目の栄養設計では補えない部分が増えます。

そこで近年、吸収・活用効率の底上げを目的に導入が進んでいるのが、温泉藻類由来の機能性素材「RG92」です。

RG92の導入──“素材としての”視点で再評価

前回の記事では、RG92のミトコンドリア活性化について紹介しました。
今回は異なる角度から、“吸収されやすい体づくり”の素材としてのRG92をご紹介します。

RG92の特徴

  • 抗炎症作用:腸・肝の炎症反応を緩和し、吸収効率・代謝の安定に寄与
  • 抗酸化作用:脂質酸化を抑制し、ビタミンや脂溶性栄養素の吸収をサポート
  • 粘膜保護:細胞膜の健全性を保ち、外的ストレスからの防御力を向上

このように、RG92は単なる“代謝サポート素材”ではなく、「栄養設計の実効性を高める土台作り」として活用されています。

暑熱ストレスに関する対策事例:畜産に限らない幅広い活用

信州大学との共同研究が始まるきっかけとなったのは、2021年にRG92が暑熱ストレスに効果があるという可能性が浮上したことでした。 その後、様々な分野・場所でRG92の試験を行っていった結果、以下のような暑熱ストレスに関する声も多く寄せられています。

・レイヤー鶏(佐賀県)
高齢期の夏場、産卵率が下がるはずが、RG92で育てている鶏だけ産卵率が落ちなかった。

・サーモン(福岡県・陸上循環)
前年の夏はへい死が多かった。今年の夏は水温が24℃を超えてもへい死が出ていない。

・カンパチ(鹿児島県・海面養殖)
夏場の海水温上昇による免疫力の低下が課題だった。RG92によって病気にかかりにくくなったのを実感し、今年でRG92を使用して3年目となる。

このように、「設計は変えず、使わせる力を上げる」だけでも、暑熱下での結果が変わります。

夏の鶏の飼料対策は「吸収される設計」へ──RG92を使った実効性強化

暑熱対策の基本は、代謝に優しい飼料設計と、環境ストレスの緩和です。
そこに加えるべき視点が、「吸収させる設計」「活用される設計」。
RG92は、暑熱ストレスのかかる状況下でも体調や産卵成績を維持する“地力”を支える素材として、多くの現場で導入が進んでいます。

ご相談・試験導入のご案内
RG92の添加方法、既存処方との兼ね合いなど、現場に応じたアドバイスも可能です。
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