採卵鶏の卵質改善ガイド|卵殻強度・殻色・卵質が落ちる原因と対策

「最近、卵殻が薄くなった」「白身のハリが弱い」「卵重のバラつきが目立つ」

採卵鶏を長く飼育していると、そんな小さな変化に気づくことがあります。
卵質(卵の質)は出荷時の評価や価格に直結するため、農場にとって非常に重要なテーマです。 しかし、卵質の改善=栄養バランスの見直しと考えがちですが、実際にはそれだけでは十分ではありません。
近年、現場では「腸内環境と代謝の維持」が卵質改善のカギとして注目されています。

卵質の評価基準と改善の基本ポイント

卵の質は見た目だけでなく、内部の状態も含めて判断されます。
代表的な評価項目は以下の通りです。

  • 卵殻の厚さと強度(割れにくさ・均一性)
  • 卵白のハウユニット値(粘度・新鮮度の指標)
  • 卵黄の盛り上がりと色
  • 卵重や形の安定性

これらが安定していることが「良質な卵」の条件です。
近年は消費者や取引先の目も厳しくなり、「見た目・割れにくさ・均一さ」を求める声が高まっています。

卵質が悪化する原因|栄養だけでなく腸と代謝も重要

卵質が落ちると、まず飼料配合を見直すことが多いと思います。
カルシウムやビタミンD、ミネラルバランスの調整はもちろん大切ですが、実は「体の中でそれを吸収・利用できているか」も同じくらい重要です。
例えば──

  • 腸内環境が乱れていて栄養をうまく吸収できていない
  • 気温差やストレスで代謝が落ちている
  • 年齢とともにエネルギーの回り方が鈍くなっている

つまり、良い飼料を与えるだけでなく、鶏の体の中でどれだけ“使える状態”にできるかがポイントです。
腸内の炎症や酸化ストレスがあると、卵殻形成や卵白タンパクの合成にも影響が出ます。

現場でできる卵質改善のポイント

① ストレスを減らす|環境要因の見直しで卵質を守る

秋や春などの寒暖差が激しい時期は、鶏にとっても体力を消耗する季節です。
温度・湿度・光の管理を見直し、環境ストレスを最小限に抑えることで、ホルモンバランスの乱れによる卵質低下を防ぎます。

② 腸を整える|卵質を左右する“腸内環境”の重要性

腸は“栄養の入り口”。
善玉菌を増やすプロバイオティクスやオリゴ糖の導入、腸内炎症を抑える素材の使用は有効です。
腸が安定するとカルシウム吸収率が高まり、卵殻強度や白身のハリが改善します。

③ 飼料の見直し|卵質改善につながる代謝サポート素材の活用

長期飼養群では、エネルギー代謝が低下しやすくなります。
ミトコンドリアを活性化し、細胞内のATP(エネルギー源)をしっかり生み出せる状態を保つことが、卵質安定の根本的な対策につながります。

関連記事:「高齢鶏でも産卵を維持!夏バテ・FCR改善のカギはミトコンドリア強化にあり」

温泉藻類RG92による卵質改善の最新事例(卵殻色・割れ率改善)

卵を形成するには、卵白タンパク合成や卵殻形成のために大量のATP(アデノシン三リン酸)が必要です。
そのATPを作り出す工場が、細胞内にあるミトコンドリアです。

温泉藻類RG92エキスは、ミトコンドリアを活性化し、代謝と腸内環境を同時に整える天然素材です。
鶏や魚類を対象とした試験では、短鎖脂肪酸(酪酸など)の増加が確認されており、腸内フローラの改善とともに栄養吸収の効率化が見られています。

RG92エキスの給餌による改善事例

採卵鶏(ボリスブラウン種)へ行われたRG92試験では、老齢に差し掛かる320日齢から230日に渡ってRG92エキスを混合給餌した結果、通常飼育群と比べて卵殻の色が濃く、割れにくく、形状も良好な卵が産まれました。

老齢鶏(547日齢)の卵でも鮮やかな赤玉を維持。(写真・右)

また、弊社で飼育中の試験鶏の糞を分析した結果、糞中の酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸が有意に増加しており、RG92が腸内環境を整えることで卵殻色素(プロトポルフィリン)の合成をサポートしている可能性が示唆されました。

つまり、RG92は腸を介して鶏の代謝を底上げし、「年齢が進んでも卵質が落ちにくい」環境づくりに貢献できる素材といえます。

まとめ|卵の質を守るには「腸」と「代謝」から

卵質改善というと、つい飼料成分の調整に目が行きがちですが、現場で結果を出しているのは“体の中から整える”発想です。

  • 腸を整えて吸収を高める
  • ミトコンドリアを活性化して代謝を保つ
  • ストレスを減らしてエネルギーの無駄遣いを防ぐ

この3つの視点を意識することで、卵の質は確実に安定していきます。
特に高齢鶏や季節の変わり目は、腸内環境と代謝力の維持が卵質の安定を左右します。

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FAQ|卵質改善に関するよくある質問

Q1. 卵殻が薄くなる原因は何ですか?

A. 栄養バランスの乱れだけでなく、腸内環境の悪化やミトコンドリアの機能低下による代謝の衰えが関係しています。

Q2. 卵質改善に有効な飼料添加物は?

A. プロバイオティクスやオリゴ糖、短鎖脂肪酸を増やす素材、そして温泉藻類RG92などの代謝サポート素材が効果的です。

Q3. 高齢鶏でも卵質を保つことはできますか?

A. 腸内と代謝のケアを同時に行うことで、卵殻強度や卵白の粘度を維持できます。RG92導入例では、老齢群でも若鶏に近い卵殻色が確認されています。