2025.10.30 Vol.13
温藻で四方よし! 動物も生産者も消費者も環境もよろこぶSDGs(持続可能)な社会へ。

温藻新聞

猛暑でも産卵率6.2%UP!
RG92で夏を乗り切ったコッコ達

毎年、夏の厳しい暑さによって産卵率が低下し、成績が落ち込む――。
多くの養鶏農家様にとって、暑熱期の生産維持は大きな悩みの種となっています。
そうした中、RG92を導入いただいている養鶏農家様より、嬉しいご報告が届きました。

対象は採卵鶏で、今年7月から9月の猛暑期という、通常であれば成績が落ち込みやすい時期のデータです。
さらに、今回RG92を導入いただいたのは、これまで成績の振るわなかった鶏舎。
導入の結果、産卵率が最大で6.2%アップ。へい死率(死亡率)も低下し、健康状態の安定が確認されました。
さらに、通常であれば高齢の鶏は産卵率が低下するはずですが、RG92を与えた群では逆に上昇傾向を示しました。

ご報告いただいた養鶏農家様の所在する台湾は、年間を通して高温多湿な気候であり、特に夏期には産卵率の低下やへい死率の上昇が起こりやすい環境です。
今回の導入結果は、RG92のプレバイオティクス機能(善玉菌の増殖を促し腸内環境を整える)が、猛暑という過酷な条件下においても効果を発揮したことを示す貴重な事例となりました。

近年の台湾では、健康志向の高まりを背景に、「古早味(昔ながらの味)」や「自然農法」など、伝統的で自然なスタイルが再評価されています。
そうした価値観の中で、天然由来の成分であるRG92は、その理念と非常に親和性が高い素材と言えます。

今後もサラビオでは、現場からの声と実際の成果をもとに研究・改良を進め、生産者の皆さまの課題解決に貢献してまいります。

RG92に
『粉末タイプ』新登場!

気になる試験の結果は?

これまでRG92は液体タイプでの提供が中心でしたが、
「地下水を直結して使用しているため液体を混ぜられない」
「水遊びをするため、飲水に混ぜても無駄になってしまう」
「自社で栄養剤を配合しているので、パウダーのほうが扱いやすい」
といったご相談を多くいただいており、これまで検討を重ねてきました。

今年6月には、すでにRG92を導入いただいている鶏舎にて、RG92を炭酸カルシウムに吸着させた試作粉末(RG92パウダー)を試験導入していただきました。
同時期は30℃を超える真夏日が続き、試験開始時には産卵率や卵重の低下が懸念されていましたが、使用開始から約10日で「卵重がしっかり乗ってきた」との報告をいただき、その後の7月・8月の猛暑期においても、効果を実感していただいています。

RG92を液体からパウダーにすることで、より使いやすい形へ。
飼料への混合や添加方法の幅が広がり、より様々な環境での活用が期待されます。

そこで今回、採卵鶏の飼育現場での本格試用を想定したスケールアップ製造を行いました。
「RG92パウダーを使ってみたい!」という方いらっしゃいましたら、 rg92extract@sarabio.jp までご一報ください。
試験として導入できる方に無償で提供いたします。
ぜひ皆さまからのご連絡をお待ちしています。

ノーベル賞で今話題のTreg細胞。
過去のRG92試験で
意外な接点が!?

まずは、2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞された皆さまに、心よりお祝い申し上げます。
今年の受賞テーマは「末梢性免疫寛容」の解明。
免疫が自らの体を攻撃しないよう制御する仕組みの中核を担う「制御性T細胞(Treg細胞)」の発見と、その機能解析が世界的に高く評価されました。

実はこのTreg細胞、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸の一つである酪酸によって増加・活性化することが分かっています。
つまり、酪酸が多いとTreg細胞が元気になり、免疫のバランスがより良く保たれる、ということです。
そして短鎖脂肪酸(酪酸)といえば、RG92のプレバイオティクス機能でもおなじみの存在。
RG92は腸内細菌のエサとなってそれらを活性化させ、短鎖脂肪酸(酪酸)の産生を促します。実際に、これまでに行った複数の試験においても、RG92を摂取した個体の糞から酪酸の増加が確認されています。

このことから、
RG92を摂取

腸内環境が改善

酪酸が増える

Treg細胞が増加・活性化

という流れが成り立つと考えられます。

サラビオがこれまで積み重ねてきたRG92研究の先に、今回のノーベル賞テーマである「Treg細胞」が結び付く―

免疫の制御という観点で非常に意義深く、私たちにとっても励みとなる出来事でした。
今後の研究のさらなる進展に、どうぞご期待ください。