2025.08.28 Vol.11
温藻で四方よし! 動物も生産者も消費者も環境もよろこぶSDGs(持続可能)な社会へ。

温藻新聞

熱帯の国々からも驚きの声〈RG92報告〉

国内だけではなく海外にも広がっているRG92。
日本とは異なる気候や飼育環境の中でも、
RG92はがんばってくれています。
今回は、そんな中からタイ(ブロイラー)と台湾(バナメイエビ)より
報告が届きましたのでご紹介します。

【タイ】
ブロイラーでの試験報告

鶏肉産業が盛んなタイで行われたRG92飼育では、RG92を給与したブロイラーの腸の長さが約15%増加したというデータが報告されました。
これは腸内の栄養吸収面積の拡大を意味し、飼料効率が高まりや健康リスク低下といった可能性が示唆されています。
さらには、慢性呼吸器病の症状が約60%改善したという報告も。
この症状が抑えられることで、免疫力低下や発育不良による経済的損失の軽減が期待できます。

<実際の腸の写真。RG92群の方が長い!>

【台湾】
高水温下の「エビ養殖」で大活躍

一方、台湾では水産養殖での検証が進んでいます。特に注目されているのが、台湾内での消費市場における需要量が年間約3万トンに達するバナメイエビです。
試験を実施した養殖場では、高水温期にはストレスで摂餌量が落ちるほか、へい死率の上昇などが課題となっていました。
そこでRG92の試験を行ったところ、へい死率が約50%低下、さらに対照群と比べて体重が約40%増加するなど、生存率・成長率ともに改善が見られました。

<バナメイエビの成長比較。差は一目瞭然です>

今回ご紹介したように、RG92の取り組みはすでに国内にとどまらず、海外の現場にも広がりつつあります。
日本国内とは大きく異なる環境下でも、RG92が免疫力や飼料効率にアプローチできている点が海外の試験結果からも

確認されています。
今後もSARABiOは、現地パートナーと連携しながらデータを積み重ね、一次産業に役立つ研究を進めてまいります。

地上波テレビ放送にて
サラビオの取り組みが紹介されます

このたび、SARABiO温泉微生物研究所の取り組みが、TVQ九州放送の特別番組にて紹介されることとなりました。
地上波放送に加え、全国でご視聴いただけるTVerでの見逃し配信も予定されております。

放送情報

番組名:
シン・ニッポンの畜水産~温泉藻とAIが食卓を変える~
放送日時:
2025年8月31日(日)13:30~14:00
放送エリア:
TVQ九州放送(福岡・佐賀・長崎など九州エリア)
番組内容:
飼料高騰や人手不足に苦しむ日本の畜水産業。その最前線で、生産性の向上につながる未来を切り拓く挑戦が始まっている。別府の温泉から発見された「温泉藻」が、ヒラメや鶏など畜水産の生存率・産卵率を劇的に改善。さらに、牛の首輪に付けたセンサーとAIが24時間体制で健康を管理し、繁殖農家の過酷な労働を軽減し、コスト削減にも貢献する。私たちの食卓を支える、持続可能な畜水産の新たなカタチとは。
見逃し配信:
地上波放送終了後は、以下の期間でTVerにて見逃し配信を実施予定です。
・2025年8月31日(日)14:00 ~ 2025年9月28日(日)23:59
(全国どこからでも無料でご視聴いただけます)

私たちの研究がどのように現場で活かされているのか、その取り組みを番組でご紹介します。
ぜひご視聴ください。

大分県温泉調査研究会にて
RG92研究を発表

皆さんは2019年の調査で大分県が“健康長寿日本一”(厚生労働省調査による)になったことをご存じですか?
大分県といえば温泉。この健康長寿には、温泉の力が関わっているのではと私たちは考えています。

2025年8月25日、大分県別府市にて「温泉調査研究会」の発表会が開催されました。
サラビオもこの発表会に参加してきましたのでご報告します。

大分県温泉調査研究会では、公共の福祉の増進に貢献することを目的に毎年研究活動が行われており、サラビオは2024年度は2題の研究委託を受け研究活動を実施しました。

1題目「産業動物におけるプレバイオティクスとしての温泉藻類RG92エキスの評価」では、RG92を摂取した採卵鶏の糞中短鎖脂肪酸濃度の変化と豚の腸サンプルによる遺伝子発現解析を行った結果を発表しました。

2題目「低成長ウナギにおける温泉藻類RG92エキスの成長促進効果と雌性化に関する検討」では大分県内のウナギ生産者との共同研究として成長促進が雌性化に関係しているのかについて検証結果を報告しました。

温泉研究といえば地質学や入浴効果検証など温泉に直結する研究が主である中、温泉に含まれる微生物成分を別の産業に活用する弊社の研究は研究者の方々にも高い関心をいただいています。

私たちの研究が、今後も“おんせん県大分”の恒久的な社会福祉や発展につながるよう研究活動に参画していきたいと思います。