温藻卵はどっち?
色の違いを科学検証
赤玉鶏の卵殻色は、餌や住環境によって大きく変わりますが、きれいな赤玉(写真①)を産んでいた188日齢の若鶏も、450日齢を超えると殻の色が白く割れやすくなり(写真②)、卵質も低下します。これは老化にともなう脂肪の蓄積や生理機能の低下が主な原因と考えられています。卵殻色は見た目の良さだけでなく、卵質も反映しているのです。
写真③は、老齢に差し掛かる320日齢から230日間、RG92を混合給餌した547日齢の鶏(ボリスブラウン種)の卵です。通常飼育した老齢鶏の卵(写真②)と比較するとその色の差は歴然で、「RG92の卵は固く割れにくい、形もよい!!」との報告をいただいています。RG92の卵殻色は若鶏の卵と比べても遜色ありません。
腸内環境の変化
卵殻の色の正体はプロトポルフィリンという色素です。
そこでRG92がプロトポルフィリンの合成に影響しそうな要因を調べてみると・・・
やはり‘腸内環境の変化’でした。
いわゆる‘善玉菌’が作り出す短鎖脂肪酸が様々な生理作用を改善することがわかっており、これらがRG92による卵質の改善につながったと考えられます。

短鎖脂肪酸が増加
そこで、弊社で飼育中の試験鶏の糞中の短鎖脂肪酸を調べてみると・・・RG92給水によって、酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸が有意に増えていることがわかりました。
このほかにも、
・ヒラメの身があめ色になった
・地鶏肉のαリノレン酸が3倍になった、などの報告もあります。
腸内におけるRG92の作用を解明することで、より効果的なRG92の使い方を使用者のみなさんに提案していきたいと思っています。今後も研究所の研究にご期待ください。

動画でわかる!
RG92の与え方(畜産編)
トップドレス方式
今回ご紹介した「温藻卵の色の違い」の試験ではこの方式で行いました。混合機などの設備を使わずにすぐ導入できる手軽さが特長で、少量から始められるのも利点です。

飲水方式
「糞中の短鎖脂肪酸濃度の分析(温藻新聞Vol4)」の試験ではこの飲水方式です。多数の個体に一括で投与でき、作業負担が少なく、動物にもストレスを与えにくい点が特長です。

ぜひ、現場での活用や導入の参考にご覧ください。
▼動画のQRコードはこちらです。


細胞の中にある“エネルギー生産工場”―
ミトコンドリアとは?
温藻新聞編集部より、今回は少しだけ「寄り道」して、RG92と深く関わる重要な存在についてご紹介します。
今回のテーマは「ミトコンドリア」です。
さて、皆様は私たちの体の中にいるミトコンドリアの数をご存知でしょうか?
その数、なんと体全体で最大3京7000兆(37,000,000,000,000,000)個とも言われています!
これは、重さにして体重の1割がミトコンドリアであるという計算になります。
それだけの数のミトコンドリアが、日々私たちの細胞内でエネルギーを生み出し、生きるための活動を支えてくれていると考えると驚きですよね。
ミトコンドリアの主な働きは、ATP(アデノシン三リン酸)という“エネルギー源”を作りだすこと。その働きから「細胞内のエネルギー生産工場」とも呼ばれています。
このATPが、筋肉の収縮や神経伝達、免疫機能を維持するといった、生き物のあらゆる生理活動に使われています。
しかし、この「小さな工場」もストレスや環境の影響で疲弊し、成長の遅れや免疫力の低下といった影響が現れることもあります。
次回は、このミトコンドリアの働きをサポートするとされるRG92との関係について、さらに詳しく掘り下げてご紹介する予定です。