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中央研究所

2020/1/22

薬学研究専門誌「pharmacological research」にて論文掲載

薬学研究分野の査読付き専門誌「ファーマコロジカル・リサーチ(Pharmacological Research)」にて、生活習慣病における”温泉藻類®RG92”の作用に関する原著論文が掲載されました。
生活習慣病対策においてRG92がインスリン抵抗性改善に役立つ可能性を示し高い評価を得ました。

「ファーマコロジカル・リサーチ」について

「ファーマコロジカル・リサーチ(Pharmacological Research)」は、オランダのELSEVIER(エルゼビア)社が発行する薬学研究の分野における専門誌です。
学術誌のインパクトファクターは5.57、掲載には査読と呼ばれる同分野研究者による審査が必須となります。
このような「査読付き専門誌」に掲載されるということは、掲載論文が同分野の研究者から高い評価を得ている証であり、信頼性の現れでもあります。

背景

サラヴィオ化粧品は、平成27年度戦略的基盤技術高度化支援事業として採択され、日本初の糖尿病予防薬・治療薬開発に向けた基礎研究を、糖尿病研究の第一人者でもある昭和大学医学部・山岸昌一教授の研究チームと共同で行っております。

共同研究を進める中、生活習慣病に関係する数値に対し温泉藻類®RG92がどのような作用をもたらすか検証を行い、その研究内容に関する論文が薬学専門誌「Pharmacological Research」にて受理され掲載・オンラインにて公開頂けることとなりました。
この山岸教授との共同研究の成果は、サラヴィオ化粧品が経済産業省から認定を受けたサポイン事業における成果の一つでもあり、また、これからの研究の発展に向けて大きく繋がることと言えます。

論文掲載内容

概要

インスリンの作用が鈍化するインスリン抵抗性は、肥満に伴って進行する脂肪組織における炎症反応により惹起される。
インスリン抵抗性は糖尿病をはじめとする生活習慣病の進行度の指標であり、できる限り早く改善することが望ましい。しかしながら、食生活の改善や運動習慣を継続的に意識することは容易ではなく、未病の状態を招くのを防いだり、改善できる日常用素材が望まれている。

我々は別府温泉で発見した温泉藻類®RG92が、1)in vitro試験において、抗炎症作用を有すること、2)脂肪細胞の炎症や酸化ストレス反応を抑制することでインスリン抵抗性を改善することを示した。
そこで、今回、ヒトにおいてもインスリン抵抗性が改善されるかどうか検証するために、過体重(肥満気味)の被験者を募ってヒト介在試験を実施した。

BMI25以上30未満の20歳から64歳の男女30名を各15名ずつにランダムに分け、各々の被験者に温泉藻類®RG92配合(0.1g)、又はプラセボのカプセルを、1日5カプセル、12週間連日で摂取してもらった。摂取後、4週、8週、12週に身体測定、血液検査、医師による所見評価を行った。
プラセボ群で辞退者1名が出た為、試験終了時は温泉藻類群は15名、プラセボ群は14名であった。

温泉藻類®RG92粉末の12週間摂取により、空腹時血糖値および血清インスリン値に改善が認められ、それに伴ってインスリン抵抗性(指標値としてHOMA-R)も経時的に改善された。プラセボ群との比較においても、インスリン抵抗性は有意に低い値を示した。
腹囲長はプラセボ群で平均0.55cm増加したのに対して、温泉藻類摂取群では90.5cmから89.0cmに減少する傾向が認められ、摂取後12週間においては群間傾向差が得られた。
その他、拡張期血圧、脈拍数においても、温泉藻類® RG92摂取による改善効果が認められた。試験期間を通じて重篤な有害事象はみられず、被験品に起因する有害事象の報告もなかった。

従って、温泉藻類® RG92の摂取は肥満気味の被験者のインスリン抵抗性をはじめとする生活習慣病に関する主要項目を改善し、腹囲長の減少に寄与する可能性が示唆された。
安全性における問題もみられなかったことから、温泉藻類® RG92は、肥満気味のヒトでの糖尿病予防や肥満予防に有用であると考えられた。

序論

別府温泉で発見した微細藻類(Mucidosphaerium sp., 以後温泉藻類RG92)は、ヒトの皮膚、頭皮、または関節由来の細胞を用いた細胞生物学的解析において、抗炎症作用、抗酸化作用、さらに終末糖化産物(AGEs)による細胞ダメージを緩和することを見出した(Alternative Therapies in Health and Medicine, in press)。
ヒト関節由来の滑膜細胞を用いた系においては、IL-1β刺激によるミトコンドリアの形態および機能の障害を緩和する作用も認められた(Molecular Medicine: Current Aspects (2017) Volume 1, Issue 1, 003)。
これらの細胞生物学的解析の所見はRG92の抽出物を使って開発した商品群の特性(皮膚の改善、痛みの改善など)と一致するものである。

生活習慣病を避ける為には、予防に努めたり未病にある状態をいち早く脱することが望まれる。 温泉藻類RG92は経皮吸収だけでなく経口摂取した場合にも各臓器における改善効果が期待できる。そこで、食品用のパウダー原料を開発し、一連の毒性試験を実施し安全性を確かめた上でin vivo 試験を行った。
体重、血圧、血糖値、血中脂質の変化は認められなかったが、血清インスリン値およびインスリン抵抗性(HOMA-R)は有意に増加した。それに対して、温泉藻類RG92を同時摂取した場合には、これらの数値の増加は認められなかった。
この結果は、インスリン抵抗値が高い状態が続くと生活習慣病になるであろう未病状態を改善したことを示唆するものである。

温泉藻類RG92の作用機構を調べるために脂肪組織を解析した結果、当粉末を同時摂取した場合には、高フルクトース摂取が引き起こすAGEsの過剰蓄積、RAGEの過剰発現、炎症性マクロファージの浸潤、脂肪細胞の肥大化が抑制された。
更に、これらの作用には酸化ストレスの抑制、MCP-1過剰発現の抑制やアディポネクチンの発現の回復が関与することが示された。 培養脂肪細胞(3T3-L1)を用いた実験系においても、温泉藻類RG92はAGE刺激に伴う酸化ストレス、RAGE遺伝子の過剰発現、脂肪滴の過剰蓄積、MCP-1遺伝子の過剰発現を抑制し、アディポネクチンの遺伝子発現を有意に増加した。 RG92粉末から調製した粗糖脂質画分(DGDGを含む)、および、DGDG標準品はAGEが引き起こす酸化ストレスと脂肪滴の過剰蓄積を抑制する効果を示した。

総じて、1)温泉藻類RG92はAGE-RAGE系、酸化ストレス、炎症反応の抑制を介して脂肪組織の肥大化およびインスリン抵抗性を改善すること、2)温泉藻類RG92に含まれるDGDGがそれらの作用に関与することが示唆された。

温泉藻類RG92はヒトにおいても同様に生活習慣病につながる未病状態を改善できる可能性がある。そこで、お腹周りが気になる被験者(BMI 25-30)対するヒト介在試験を実施した。

方法

ヘルシンキ宣言に準拠し倫理委員会で承認を得た計画書に基づき2重盲検プラセボ対照ランダム化並行群間比較試験を実施した(株式会社SOUKENによる外注試験)。
20~64歳でBMIが25以上30未満かつHbA1cが6.5%未満を満たす健常成人から被験者30名を選抜し、無作為にプラセボ群(n=15、うち1名が途中脱落)と温泉藻類RG92群(n=15)に分けた。
各群にプラセボカプセル、もしくは、温泉藻類RG92 (0.1g)含有カプセルを5錠/日で12週間連日摂取させ、継時的に身体測定、血液検査、血圧・脈拍測定、医師による所見評価を行った。
統計処理は、paired t test、または、Dunnettの検定(有意水準:両側検定、危険率5%)を用いた。

結果

20歳から64歳の男女(温泉藻類RG92群:男性7名女性8名、平均年齢45.7±9.6歳、BMI 27.1±1.3、プラセボ群:男性8名、女性6名、平均年齢46.1±10.6歳、BMI 27.1±1.3 )で試験を実施、完了した。
重篤な有害事象はみられず、被験品に起因する有害事象はみられなかった。
空腹時血糖値が温泉藻類RG92の摂取後12週に著しく減少し、プラセボ群との群間比較において有意な低値を示した(図1)
拡張期血圧も試験開始後に増加傾向を示すプラセボ群に対して、温泉藻類摂取群では経時的な減少を示し、有意に低値を示した(図2)
血中インスリン値も同様の経時変化を示した(図3)
血糖値とインスリン値から算出したインスリン抵抗性指数(HOMA-R)も同様の経時的な減少傾向を示し、試験開始後4週、8週、12週で有意な群間差を示した(図4)。同様に、脈拍数も温泉藻類摂取後12週に有意となる経時的な減少を示し、プラセボ群との比較においても有意に低い値を示した(表1)
温泉藻類RG92群で体重が平均0.45kg増加しているのに関わらず、腹囲長は90.5±7.7cmから89.0±7.7cmと統計的な有意差は認められないものの経時的な減少傾向を示した(図5)。腹囲長が平均0.55cm増加したプラセボ群でとは対照的であり、試験開始12週間後の腹囲長では群間傾向差がみられた(p=0.099)。

まとめ

 二重盲検ヒト試験において、温泉藻類RG92を連続摂取(0.5g、12週間)することにより、血糖値、血圧、インスリン値、脈拍数の経時的な改善が認められ、プラセボ群との比較においても有意に低い値を示した。
腹囲長も減少する傾向がみられ、メタボリックシンドロームの予防、改善に有用であると考えられる。
肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病の発症・重症化のバロメーターとなるインスリン抵抗性が改善されたことは、気づかない内に進行しているかもしれない生活習慣病の予防や改善に有用であることを示唆するものである。

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