DAPI染色・蛍光顕微鏡観察 核を染めてスキンターンオーバーを見る技術!

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DAPI染色・蛍光顕微鏡観察  核を染めてスキンターンオーバーを見る技術

担当:サラヴィオ中央研究所 スキンサイエンスセンター(https://www.saravio.jp/ir/lab/


昨年のSaravioブログ「乾燥肌には保湿でガッテン!!」(2010年11月11日発行)で乾燥肌について書かれてあります。https://www.saravio.jp/blog/index.php


要点は次のようなものでした。

@ 正しい保湿ケアができていないと皮膚のターンオーバーが乱れる

A その結果、肌のバリア機能が低下し保湿力が落ちる(乾燥肌を招く)

B 乾燥肌の対策には自分に適した保湿処置が必要(ターンオーバーを促進させて健康肌を蘇らせることが望ましい)

というものでした。
ターンオーバーが乱れると細胞が正常に死なずに、角質細胞間脂質の第一保湿成分であるセラミドが産生されなくなります。
ただでさえセラミドの量は年齢とともに減少します。
その上、保湿ケアが不適切だと、大幅に減少してしまいます。
セラミドの量はバリア機能と直接関係していますので、セラミド量が減少すると必然的に乾燥肌となり様々なトラブルの元になります。


さて、スキンターンオーバーが正常かどうか(細胞が正常に死んでいるかどうか)を調べる方法の一つとして、
角質細胞の核の有無を調べる手法があります。
ご存じの通り、核には情報物質であるDNAがぎっしりと詰め込まれています。

dna

DNAに特異的に結合する物質に、4',6-diamidino-2-phenylindole (以下、DAPIと略します) いう蛍光物質があります。
DAPIはDNA(2本鎖DNAのATリッチ領域)に結合するとその蛍光強度が約20倍増加します。
これによって、細胞内の核の存在を確認することができるのです(核が青く光って見えます)。


例えば、細胞分裂中の細胞をDAPI(青色)で染めると、DNAが両極に分かれていく様子が分かります(下の写真では、DNAを引き離すタンパク質も緑と赤で示されています)。

dna2

細胞分裂中の細胞

DNA()が引き離されている。

は分子モータータンパク質、

はレールタンパク質を示す。

dna3

 さて、肌表面の角質細胞を角質チェッカーで剥がして、顕微鏡で観察してみるとこのように見えます。

 色々なところに線があって、シワのようなものも見えます。
よく見ると、複数の区画があることが分かります。
例えば、赤の点線で示したところに1つの細胞があります。
めくりあがっているところもあり、ボロボロの細胞達がぎっしりと詰まっているのです。

 

補足

以前、サラヴィオ美容液の効果を科学的、医学的に証明した結果を紹介しました。[リンク]

 このリンク先の中の被験者1は、サラヴィオ美容液を使用した右頬が高い水分量を示しています。
医学的病理組織診断では、右頬で免疫学的炎症反応が抑えられていることも分かっています。

 つまり、サラヴィオ美容液によって自己の自然治癒力が高められて健康肌が取り戻されているのです(被験者2でも同様の結果が得られています。
ただし、被験者2の場合は、 むくみも解消されています)。

今回も、サラヴィオ美容液を右頬のみに3ヵ月使用した被験者の角質細胞を採取し、DAPI染色を行いました。

dna3

角質細胞のDAPI染色

左レーン:
左頬から採取した角質細胞(サラヴィオなし)

右レーン:
右頬から採取した角質細胞(サラヴィオ美容液3カ月使用)

上レーン:
微分干渉像(細胞の形がよく分かります)

下レーン:
蛍光像(核の存在を調べることができます)
細胞の位置は点線で示してあります。

 まず、左レーンのサラヴィオ美容液を使用していない左頬から採取した角質細胞ですが、
その微分干渉像をみると、比較的はっきりとした細胞が見えます。
そして、DAPI染色像では青く光った丸いものが見えます。
これが核です。


 それに対して、右レーンのサラヴィオ美容液を使用した右側の頬から採取した角質細胞では、微分干渉像から形が乱れた細胞が見え、
蛍光像では核(青い丸)が認められません。


 つまり、サラヴィオなしの左頬では、ターンオーバーのサイクルの乱れから角質細胞が正常に脱核されずに、肌の表面にあがってきています。
つまり、死に切れていないのです。


それに対して、サラヴィオ美容液を使用した右頬では、理想のターンオーバーが起こり、
角質細胞の脱核と細胞死が起こっています。


以前の報告を考え合わせると、サラヴィオ美容液の使用により細胞の脱核に伴い保湿成分であるセラミドが誘導されて、
乾燥肌を解消していることが示唆されます。


肉眼で得られる情報は限られていますが、DAPI染色・蛍光顕微鏡観察などのサイエンステクノロジーをうまく使うと、
実際に肌の中で起こっているミクロな世界の劇的な変化を知ることができるのです。
これからもスキンサイエンスの面白さを伝えていきたいと思います。


 

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